顔の問題
現実の肉体を持っていたイエス様には当然、顔があった。
聖書にはイエス様の顔がどんな顔をしていたか、美男だったか醜男だったか、威厳のある感じだったか、神々しかったか、具体的な記述があったかどうも覚えがない。
イエスの伝記映画、例えば「奇跡の丘」「キリスト最後の誘惑」「パッション」あと「ジーザスクライストスーパースター」など観ていて、演者が自分の持つイエス様のイメージに遠い近いはあるにせよ、人の顔というものは、どうしても好き嫌い、好感を持つ顔とそうでない顔というものがあり、現実のイエス様の顔もまた、自分が一目見て好ましく思う顔だったかどうか分からないということ、つまり自分にそういう生理的反応を生じさせる具体的な顔をイエス様が持っていたということ自体、考えるとなんだか複雑な気分になる。
イエス様は自分の顔を自分でデザインしたのだろうか、それとも成り行き任せだったのだろうか。全能の神に成り行き任せということがありうるのかどうか分からないが。(人間の顔の美醜だって神の介入があるのか、ただの遺伝的偶然なのか。それともこの世の事象に偶然を考えること自体が神への冒涜か。)もしかしたら、善男善女にだけは神々しく、美しく見えるような仕掛けがしてあるお顔だったということもあり得る。
映画に登場したイエスで一番神々しさを感じたのは「ベンハー」のイエスだったが、その理由として、イエス様の顔が画面に映らなかったという理由が大きい。
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