唯物主義者の道徳性

よくやった、と誉めてくれる神の存在を信じず、天国への切符を貰いたいがために道徳的であるのではなく、死後に何の見返りがなくても、ただ単にそうすることが正しいと思うからそうしているという人がいるとして、そういう道徳的な唯物主義者は道徳的な有神論者よりも道徳的に上だとは言えないにしても、道徳的に劣っているとは決して言えないだろう。

唯物主義者の道徳性はその成果において有神論者の道徳性に劣る、つまり神や死後の褒美を信じている方が、より道徳的になれるという説は一利ある。(信仰を持つことで聖霊が人の中に入り、その人をより神の意志を行動に移しやすくさせてくれるとも言われる。)しかし宗教的な信仰を持たずに人のために尽くした偉人も多い。こういうのは現実にどうであるか、成果主義で判断するしかない。歴史を振り返ってみると、さてどうだろう。